本文
病院長の挨拶
国東市病院事業管理者兼病院長 野邊 靖基
北に両子山を抱き、東に豊後灘を望む風光明媚な国東半島の袂に我等の国東市民病院は在ります。昭和32年安岐町立病院に端を発し、以降、東国東地域広域国保総合病院、国東市民病院と名称を変え、今年で61年が経過しました。歴史を紐解くと、様々な出来事があり、幾多の困難に遭遇してきたことがわかりますが、先達らはこれを乗り越え、是非善悪を判断しながら、地域住民の生老病死に常に寄り添ってこられました。私もここに仲間入りして20年となりましたが、平成30年12月1日付で三河明史国東市長より、事業管理者兼病院長の任を命ぜられました。 この間、医療社会情勢は刻々と変化し、高齢化や医療技術の進歩等によって国民医療費は増大し、消費増税、診療報酬改定、高額な治療薬の台頭等々で中小病院は厳しい経営を迫られ、増収減益の状況にあります。加えて、当地区は少子高齢化、人口減少、医師偏在などコントロール困難な環境の中にあり、日本の将来の医療ケアの課題が山積している地域でもあります。今年度は2025年問題にむけた医療と介護の制度改革の年でありました。その劇的変化を「惑星直列」と比喩されたほどでしたが、医療機関においては政策メッセージを嗅ぎ取り、自施設の経営状況をつぶさに観察し、適宜対策を講じながら、柔軟に変化していくことが肝要であろうと考えています。“Change or Die”は「マネジメントの父」とも言われた経営学の大家ピーター・ドラッカーの至言ですが、変革の重要性を謳っています。 この他にもマネジメントに関わる多くの名言を残しています。その1つに「CEOは、組織の中において権力を中心ではなく、責任を中心に考えるべきである」とあります。自身に対する戒めの言葉として、肝に銘じながら病院運営を図っていくつもりです。 先述しましたように、多くの課題は一中小病院のみの力では到底解決できるものではありません。地域住民の皆様の理解・協働のもと、国東市医師会、大分大学、連携病院、医療行政、介護・福祉施設の関係各位の皆様のお力をお借りしながら、取り組んでいく所存です。これまで同様「安心して住める」包括ケアの地域社会づくりに貢献すべく、地域に役立つ病院作りに職員一同、強い気持ちで励んでいきますので、ご協力、ご指導のほど何卒宜しくお願い申しあげます。 以上、簡単でございますが、就任のあいさつとさせていただきます。 |